【歌詞/和訳/解説】American – Ru Paul 【原曲&ドラァグレース替え歌版】

シーズン10の見せ場!替え歌ステージ

こちらの記事でも紹介した替え歌チャレンジの中からから、とくにビリーが好きなものを解説したいと思います。その1はシーズン10!

個人的感覚ですが和訳もしてみたところ、けっこういろいろなテクニックをみんな使っていることが分かりました!よろしければちょっとした英会話学習としても楽しんでください✨

強敵4人によるパフォーマンス

まずはチャレンジそのものの動画はこちら↓↓

クイーンたち自作の歌詞と和訳はこちら

1番手♡アクエリアのパート

Bonjour!
Curtains up with the lights flashing bright
The number one showstopping diva here for your delight
Life, liberty, and me!

Serving face and dressed to the nines
Come on, give me my encore, baby, it’s showtime

ボンジュール(=こんにちは)! ※1
ステージの幕が上がり、照明はピカピカ眩い
※2
ナンバー1の絶対的歌姫 あなたの笑顔のために来たの
\人生、自由、そして私!/
※3
完璧な顔をお届け、ファッションにはみんな釘付け
※4
ほらアンコールを頂戴、ショータイムなのよ!

※1 アクエリアのシーズン初登場シーンの台詞
” BONJOUR‼️ Sorry to keep you waiting”からの引用。
ここまで残れないとできない技、エモい!

※2 うまく訳せなかったけど本当は「lights」と「bright」で韻を踏んでいます。恐ろしい子…
※3 アメリカの独立宣言からよく引用される”Life, Liberty and the pursuit of Happiness”(人生、自由、そして幸福の追求)のパロディです。
※4 “dressed to the nines”は素晴らしく着飾っているという意味の英フレーズです。

Turning looks, stunting pretty
I’m the bitch from New York City
Playing at the parties and I know that I am carrying
I might be an Aquarian but—

見た目バチ決め、可愛さは離れ技 ※1
私がニューヨークのビッチ
パーティで遊んで人気を攫って
※2
アクエリアンかもしれないけど――
※3

※1 「stunting」と聞いて「妨げる」みたいな一般的な意味を想像するとどうも合わないので、「スタントマン」とかで使われる文脈の「離れ技を披露している」という解釈にしました。
ちなみにこのはじめの2行、アメリカではミームとしてちょっとした流行になりました!
※2 「carrying」は「持ち運んでいる」という意味ではなく、選挙の時に「票を獲得している」という意味でcarryが使われる時の解釈にしました。
※3 アクエリアはみずがめ座。英語でみずがめ座は「Aquarius」、みずがめ座の人は「Aquarian」です。

▶総評
自分の魅力をしっかり主張しつつ、原曲の愛国心ヴァイブスもしっかり汲んでいて、韻も踏めている…耳に残るフレーズメーカーだし優勝に足る実力を感じさせます!

2番手♡エイジア・オハラのパート

Her name was etched in sorrow, but now it’s blasted in lights
With beauty that can blossom out of dark, cold nights
Her quest to find her brightness through her darkest day
American dreams are built on words we dare not say

哀しみに刻まれた彼女の名前は、いま光り輝いている
暗く冷たい夜からでも、美しさは咲き誇れるから
闇の日々から明るさを見つけ出そうとした
口には出さない言葉の上に、アメリカ人たちの夢は建っている

強く美しいクイーンのエイジアですが、幼い頃に親を亡くし、難しい青年時代を送ったと語っています。

She’s you and them, she is me and him
She’s the stars and stripes flying high
Red, white, and blue, she is me and you
She’s American through and through

彼女はあなたであり彼らである、私であり彼でもある
彼女は星と縞、空高く飛ぶ

赤、白と青 彼女は私とあなた
彼女は生粋、まさにアメリカン

▶総評
「I am」という単純な原曲の流用ではなく、「She’s=彼女は」という語り方は、クイーンとしての自分をより客観視している印象です。そうして一度抽象化した「どんな過去があっても立ち上がれる」というキャラクター像をアメリカ国民に投影していて、胸を打つ作りです。

3番手♡ユリーカのパート

Eureka, you found it!
Watch me smile and watch me slay
‘Cause I’m living for my true self everyday
It’s not about your color, gender, or size
But if we come together, we can rise

\ユリーカ(エウレカ)、発見せり!/ ※1
私が笑顔で勝ち進めるのを見ていて
だって私は本当の自分を偽らず毎日を生きているんだから
人は肌の色、性別、体の大きさなんかじゃ決まらない
みんなが合わされば、何にだって立ち向かえる

※1 別記事でも解説しましたが、 ここは彼女の名前から来ていて、「Eureka」は日本語読みすると「エウレカ」。古代ギリシャのアルキメデスが叫んだとされる感嘆詞で、何かを発見したときに叫ばれたと言われています💡

I came from nothing, made me wanna scream
But I fought for my piece of the American Dream

何もないところからの出発、気が狂いそうだった
でも自分のアメリカンドリームのために戦った

You can be a stripe and get in line
Or be a star and not be defined
Come on y’all, live free
I’m the elephant queen, what are you gonna be?

あなたも縞になっていっしょに並べるよ
星になって誰にも定義されず輝くこともできる
ほらみんな、自由に生きよう
私はエレファント・クイーン!…あなたは何になる?

▶総評
アメリカンの取り入れ方で出てくる星条旗の引用が賢くて好きです。
それからユリーカは自分がプラスサイズのクイーン(体格が大きく、いわゆるモデル体型ではない)として色んなコンプレックスのある人を元気づけたいというモットーがあり、その多様性に対するポジティブなメッセージがとてもよく出ている歌詞だったと思います!

4番手♡キャメロン・マイケルズのパート

Little boy from Tennessee
Meant for more, Top Four
Hey, you there, now pay attention to me

\テネシー州の小さい男の子
でもそれだけじゃない、トップ4!/
ちょっとそこのあなた、もっと私のことちゃんと見ないと

We fought for our right to love and be who we be
We will not be silenced and I won’t sit down
I’m gay and proud, might not be loud, but I found my sound

私たちは戦った
なりたい自分でいて、愛したい人を愛する権利のため
私たちは絶対に口をつぐんだりしない

私は立ち上がることをやめない
声の大きい方じゃないけど、私は誇り高きゲイで、
そして自分だけの音色を見つけたの

Kids called me names and tried to tear me down
But I had big old dreams, bigger than my small town
Now here I am with Mama Ru
American, just like you

子供のころ、周りはバカにして、私の心を引き裂こうとした
でも私には夢があった、小さい田舎町なんかよりずっと大きな
そしていま私は、ママ・ルーとここにいる
アメリカ人、あなたと同じ

▶総評
これはロス・マシューズも涙するわけです…
シーズンを通して寡黙だと言われてきたキャメロンがどんな想いで片田舎からクイーンとしてここまで上り詰めたのか…想像を絶するような辛い経験を糧に、若い視聴者に夢を与えるバースになっています。

ルポール本人の楽曲(英語)

こちらが原曲。ママ・ルーの歌唱力はこれぞ本家という力強さです。

ミュージカル「ハミルトン」なんかを見ても思いますが、
アメリカは建国が比較的新しく、人種のるつぼであるからそ、「I am American=私はアメリカ人だ」という愛国心の形に、ほかの国よりさまざまな幅があると思います。

歌詞(英語)と和訳はこちら!

そんな色とりどりの背景の人たちをすべて取り込んで前進していくような力強いナンバーには、
アメリカのPatriotic Songs=愛国歌からの引用もいくつか出てきます。
耳に残るリフレインとともにお楽しみください!

I am American, American
I-I-I am American, American

私はアメリカン(=アメリカ人)、アメリカン
わわわ私はアメリカン、アメリカン

My, my, my, my country ‘tis of thee
These are all my friends, we are a family
Hey, hey, hey, despite what you think
This is who I am and who I wanna be
(I wanna be)

まあまあまあ、マイ・カントリー・ティズ・オブ・ディー
※”My Country ‘Tis of Thee”はアメリカの愛国歌。
古い英語風で、「この国はあなたのもの」みたいな意味
ここにいるみんなは友達、私たちは家族
ヘイヘイヘイ、あなたはどう思ってるか知らないけど
これが私、ありたい姿
(ありたい姿)

Everybody came here wantin’ to be free
New York to California, sea to shining sea
Everybody came here wantin’ to be free
New York to California, sea to shining sea
Everybody, everybody, everybody
(Oh, oh, oh)

みんな自由を求めてここへ来たの
ニューヨークからカリフォルニア、輝く海原へ
※”From Sea to Shining Sea”は”America the Beautiful”という、同じく愛国歌の歌詞の一部。イギリス領北米時代の曲で、”sea to shining sea”はつまり「大西洋から太平洋へ」という意味らしいです。
みんな自由が欲しくてここへ来たの
ニューヨークからカリフォルニア、輝く海原へ
みんな、だれしも、全員が
(oh oh oh)

※I am American, American, American
I am American, American, Red, white, and blue
Am-Am-Am-Am-Am-American, American, American
I am American, American, just like you too

私はアメリカン、アメリカン、アメリカン
私はアメリカン、アメリカン 赤、白と青
ああああアメリカン、アメリカン、アメリカン
私はアメリカン、アメリカン、あなたのように

You-ou-ou, you got the right
Stand up for yourself, we’ve just begun to fight
Ain’t no way we’re going back in time
Forward to the future baby, yours and mine

そう、そう、そう あなたはその権利がある
自分のために立ち上がれ、私たちは戦いはじめたばかり
過去に戻ってる場合じゃない
未来にむかって前進、そう私と君のね

↓以下歌詞繰り返しです!

Everybody came here wantin’ to be free
New York to California, sea to shining sea
Everybody came here wantin’ to be free
New York to California, sea to shining sea
Everybody, everybody, everybody
(Oh, oh, oh)

I am American, American, American
I am American, American, Red, white, and blue
Am-Am-Am-Am-Am-American, American, American
I am American, American, just like you too

I am American, American
I-I-I am American, American
I am American, American
I-I-I am American, American, I

I am American, American, American
I am American, American, Red, white, and blue
Am-Am-Am-Am-Am-American, American, American
I am American, American, just like you too
Am-Am-Am-Am-Am-American, American, American
I am American, American, Red, white, and blue
I am American, American, American
I am American, American, just like you too

勝負のポイントは…?

結局このチャレンジ(シーズン10エピソード12)では、トップスリーを決めるはずがリップシンクの結果「全員フィナーレ進出」となったので、勝敗がついていません
個人的には、みんな「自分の個性を出す」ことをしながら、「原曲のメッセージをよく汲む」ということをしていて、レベルが高かったと思います。
快活に自分のファッション性を売り込んだアクエリア、弱みを見せて力づけてくれたエイジア、多様性を謳ってくれたユリーカ、あきらめない元気をくれたキャメロン…あなたはどれが好きでしたか?
それではまた~

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